カートが思った以上に軽かった話。

飼っていたワンコが亡くなってもうすぐ7か月近く経ちます。

今回の題名の話の前にちょっと別の話をば。

 

遺品整理というのはしたことありますか?

 

 

自分はありません。

正確には、今までそういう事に直面したことがありませんでした。

祖父、祖母が亡くなった時も葬儀には出たけれど、その後のことは子である自分の親が諸々他の人たちと片づけしたみたいで、そこに自分は全く関わっていませんでした。まあ、基本的にそうゆうもんなんだと勝手に思ってる。

 

なので、祖父母の遺品は親が処理したので、ほぼ何もない。

だからかわからないけど、もう自分の中で記憶や思い出があまりない。

正直、これがいい事なのか悪い事なのかいまだにわからない。

 

で、ワンコの話に戻る。

遺品がまだ残っているんです。というか、亡くなってすぐに家人は処理したかったみたいなんですが、自分は心の整理がついてなかったというか色々追いついてなくて、頼んで何とかちょっと置いといてもらいました。

動物といえど自分の中では大事な家族で、この約19年、当たり前の存在でした。約19年ずっと一緒は長いよね。使っていたものにも愛着が沸かないわけがない。

たぶん今まで一番大事な家族でした。正直、親兄弟より大事。

親は多少慣れてるのかもしれないけど、自分はそもそもその遺品を整理するということが全く慣れていなく、未だに心が落ち着きません。

せめてあと5ヶ月。命日まで置いとくか、命日が来たらそこでちゃんと片づけしようかと自分の中で一応思っていた矢先のこと。

 

「カートを来週処分するから」と、突然言われました。

 

もう何も考えられなくなりましたよね。

食欲が一気になくなって夕飯はまともに食べられませんでした。

 

それから自分がとった行動。

着の身着のままで、カートを家の外に出してみた。

 

傍から見たらただの奇行。

この冬の夜、寒空の下、散歩していた時に歩いたところを行ける限り行ってみたんですよね、空のカートともに。

普段カートは玄関外に置いているだけだからわからなかったけど、カートだけはあまりにも軽かった。軽すぎた。

その中の重さと存在がないことに改めてショックを受けて、ただ泣くしかできませんでした。

 

そのまま少し歩いてたら、寒い夜でも犬の散歩をする人はいるようで、ちょっと遠めにすれ違った散歩中の犬が自分に向かって吠えたんです。単純に怪しい自分に向かってなのか、カートを見て犬がいると思ったのか、その辺はもう不明なんですが。

その時飼い主さんに会釈しつつ、「ごめんね、もういないんだ」と言って去ったんですが、あとで思い出してまた凹むという。

 

来週と言っていたけど、粗大ごみにいつだされるのか正確な日を自分は知らない。

たぶん粗大ごみに出されたあと、しばらくは覚えていると思うけど、その更にしばらく経てばたぶんカートのことも、散歩でどこを歩いたかも忘れはしないけど、思い出しはしなくなると思う。要は心に蓋をするわけなんだが。

 

この先も遺品整理って、自分はこういう風にしかできないのかな。

 

どーでもいいけど、家人は自分が突然外に出たことにもおそらくすぐには気付かず、何故外に出ていたかもわからない。正確には理由を聞いてこない時点で、自分に興味ないんだろうと思われる今日この頃。

ガチ防寒じゃないまま適当に部屋着とサンダルで2~3時間くらい真冬の夜に外に出るのは、やはり都内といえど寒かったです。

 

あなたは遺品整理したこと、ありますか?